骨太方針2026:令和9年度予算が拓く14年の新しい財政運営時代
『経済財政運営と改革の基本方針2026(原案)』は、財政運営を14年間の『中長期経済財政計画』(2027-2040年度)に基づく枠組みへと再構築。単年度シーリング型を放棄し、複数年度の『強く豊かな日本』投資枠を新設。財政運営の中核目標を、年度別プライマリーバランスから債務残高対GDP比の安定的低下へと移します。
令和8年6月30日、経済財政諮問会議で 『経済財政運営と改革の基本方針2026(原案)』(骨太方針2026)が公表されました。同日に内閣官房で公表された 『日本成長戦略(案)』 と対をなすこの原案は、10年以上続いてきた財政運営のルールを大幅に書き換える内容となっています。
従来の骨太方針が、単年度のプライマリーバランス(PB)黒字化目標、単年度「シーリング」による一律抑制、そして補正予算への恒常的依存を前提としていたのに対し、原案は 14年間の『中長期経済財政計画』(2027-2040年度) を新設し、財政運営の中核目標を 債務残高対GDP比の安定的低下 に移すとともに、戦略分野には要求上限を設けない 『強く豊かな日本』投資枠 を新たに創設します。令和9年度は「責任ある積極財政元年」として明確に位置付けられます。
下のインタラクティブビューアで、4章構成、5つの枠組み転換、2040年までの財政ロードマップを閲覧できます。右上のEN/日本語切替で言語を変更できます。
出典:内閣府 · 経済財政諮問会議(令和8年6月30日)。原案段階の資料。数値は閣議決定前のもの。
要点
- 財政運営の中核目標を転換 ― 単年度のPB黒字化から、債務残高対GDP比の安定的低下 へ。PBは複数年度で管理する補完指標に。
- 『中長期経済財政計画』(2027-2040年度) を新設 ― 従来の『経済・財政新生計画』を刷新し、計画期間を成長戦略の投資ホライズンに整合させる形で14年間に延長。
- 『強く豊かな日本』投資枠 ― 通常歳出とは別枠、要求上限(シーリング)を設けない予見可能な複数年度支援。経済安全保障上特に重要な分野には、償還財源の裏付けのある 「つなぎ国債」 を発行し特別会計で別枠管理。
- 補正予算依存からの脱却 ― 恒常的な施策は当初予算で措置。補正は真に緊急性の高いものに限定。2026年内に予算編成の基本方針を改定。
- 「予算措置は原則3年以内」の基金ルールを、戦略的長期投資について不適用 ― 基金、複数年度契約、財政投融資、出資等を投資の性質に応じて活用。
- 令和7年度の実績(原案の認識):名目GDP 4%超、実質GDP +0.8%、雇用者所得も企業所得も名目 ・ 実質共に増加 ― 政府として賃金と物価の好循環が可視化されたとの整理。
- 令和22年度に向けた目標:国内民間設備投資 年間230兆円、名目GDP 約1,100兆円、官民研究開発 累計180兆円(2026-2030年度)、17分野で累計370兆円超の官民投資。
貴社の日本事業が財政支援・公共調達・価格転嫁政策・医療/薬価規制・令和9年度概算要求プロセスの方向性に依存している場合、本骨太方針原案は、成長戦略と並んで最初に読み込むべき枠組み文書となります。貴社の業界・予算サイクル・日本進出スケジュールへの示唆に関する具体的なご相談は お問い合わせ よりお受けします。